NEW : ALGORITHMIC DESIGN / INDUCTION DESIGN

brain BRAILLE 2000

Art work / subway station IIDABASHI

視触覚/みえることと、ふれること

氷を見ると、冷たさが手に伝わる。木の壁を見れば、肌にぬくもりが残る。 ものを見るとき,同時に手触りも感じている。

見ることは,触れることである。
ものを見るとは、その表面に目で触れ、視線で撫でまわすことなのだ。
視覚と触覚とは、だからとても近い関係にある。
この関係を示したアートワークを、コンコースに設置した。
壁面の一部に、点字と、点字を拡大したものが並んでいる。
これらは短い ことばのかけら である。

文字は大きくても小さくても読めるが、点字は違う。
点字の大きさには絶対条件がある。
拡大した点字はもはや読めない。
言葉なのに読むことのできない、かたち。
大きさの意味。

指で触れて点字を読む。金属の点字に触れて、木の肌触りという言葉を読むとき、そのふたつの感覚が重なる。では、木の板にかかれた、金属という文字を読むときはどうだろう。
指先の感触、頭の中の言葉。
見える素材の感触、頭の中の言葉。

視覚と触覚と意味をめぐる、意識と感覚の、定位できない往復運動が続く。
このアートワークは、そんな、ちいさな振動を起こそうとした。