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K-Z  / history museum   

2010 invited competition
       

回転/ 放射/ 線形

     

これはカザフスタンの首都アスタナに建つ国立歴史博物館の、指名コンペ応募案である。

この建築は三つの部分から成る。そのひとつは半身を地下に埋めた長径240Mの回転楕円体、もうひとつはそれを取り巻く放射円形、そしてさらに楕円体から空中に浮かぶ紡錘形である。

 

 

 

KZ 博物館 渡辺 誠/アーキテクツ オフィス

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潜る→戻る

     

来場者はまず、回転楕円体の空洞をエスカレータで地下深く降りていく。
降りた底は、楕円体なりの緩やかな曲面の床だ。そこは、この国の歴史の最も古い時代を示す展示空間である。歴史の初源のその地の底から上に向かって、螺旋状の展示空間が切れ切れに伸びていく。来訪者はその螺旋を順に巡りながら空間を上昇する。
その先で螺旋はほどけてまっすぐに伸び、現代の展示室となる。
さらにその先は未来の展示室であり、床は斜めに上昇して空に続く。

ここでは、空間を上下することは、時間を前後することになる。
楕円体内には空間の序列とは無関係な斜交エスカレータが走る。
それらがバイパスとなって、来場者は時間を飛び越えて行き来することができる。

博物館を支える収蔵庫や研究所室、ホール等は、地上階に楕円体を取り巻く放射回転形で配置されていて、敷地の四方にそれぞれのアクセスを持つ。

これらの施設を覆う地表は、全体が大きな螺旋を描きながら起伏する。
それは上空からは水面上の巨大な渦巻のように見えるかもしれない。
その渦の中から、金属の塊のような複合曲面体が浮上する。
それは夜になると内側からの光を通して、モザイク状に透けた皮膚を持つ生物のように見えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KZ 博物館 渡辺 誠/アーキテクツ オフィス

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KZ 博物館 渡辺 誠/アーキテクツ オフィス

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K-Z > K-M 2010

   

この「KZ」は、規模ははるかに大きいが、「K-MUSEUM」(1994)の発展版といえる。
うねる地表の全体が建築であること、地下にあるものと地上に広がるものと空中に浮かぶものの関係、浮遊するリニアな形態とその強い方向性、そして部分の複合としての全体、などの考え方と性格は、「展示」を機能とするこれらふたつの建築に、共通している。

 

 

 

 

 

KZ 博物館 渡辺 誠/アーキテクツ オフィス

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